ギザ十物語（その１）

ギザ十物語（フィクションとして読んでください）
自販機で「水」を買うのが朝の日課だ。
ここのは他の販売機よりも安くて1本90円なのだ。

そのつり銭に気づいたのは数日前。
　「おっ！めずらしいな。ギザ十だ。」
ギザ十（ジュウ）とは昭和26年から昭和33年まで製造されていた10円玉で、
側面にギザギザがあるためにそう呼ばれているものだ。
　
良く考えてみると、ここ連日このギザジュウがお釣りで出てきたような気がする。
あわてて小銭入れをまさぐってみる。
　100円玉が3枚に3枚の10円。10円は全部ギザジュウ。「お？？」

ラッキー。いい事あるかな？なんてネットで調べてみるも、10円は10円。
使用し倒された10円などに10円以上の価値は無い。
　半分ラッキーと思ってしまった自分が情けない。

が、元来の収集癖が少しだけこのギザジュウに引っかかった。
机の引き出しに3枚。並べて入れておくことにした。。。

そして次の日。その販売機で水を買ってみると。また昭和26年のギザジュウ。
「え？？？」もしやと思ってもう一本買ってみた。
今度は平成23年のピカピカの10円のお釣りだった。
単なる偶然か、、？。「はあ」

それで一本は会社の冷蔵庫に入れておいて
次の日は購入なし。

でまた、一日おいた今朝のこと。
ガタンっ。チャリーん。　買ってみた。
お釣りはなんと昭和30年のギザジュウ。

少し背筋が寒くなった。

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