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そんなに俺が悪いのか [雑感]

陶芸家の先生に弟子入りする。
登り窯で薪を焚いて三昼夜少しの仮眠をとるだけで
窯の火を管理する。

シェフについてフォンドボーを作る。
懸命に鍋を管理してコトコトと完成を目指す。

マグロ船に乗り込み
いつ獲れるかもわからぬマグロを待ち南氷洋に。

ベーリング海峡でズワイガニを。

農業も、林業もそうだ。
収穫し、売り上げてお金になるのはずっとずっと先。

上手くいったら一獲千金かもしれぬが

焼き物にヒビがあれば全部砕く。
思った味が出なければスープは捨てる。
マグロもカニもボウズ。
収穫直前に大洪水に見舞われたらゼロ。

そういう職業はいくらでもある。

いくらでもあるが「働き方改革」では
雇うほうが、事業主として
賃金はもちろん、残業手当に深夜手当、休日出勤手当に
有給休暇も与えないといけない。

上記職種だと変形労働時間制を採用するのだろうが
そんなこともしないといけない。

もちろん、粘土や薪、食材や水道光熱費に家賃
燃料費に船の損料、諸々。
広告宣伝費なんかも必要だろう。

それでも、売り上げがゼロ。ならば給料が払えない。

となれば金融機関から調達してその利息も。

大きな会社の経営者が
「責任を取って辞職します」
なんていうのが
羨ましくて仕方がない。

だって金融機関に対しては個人保証もしてますし
家や土地も抵当に入っているから、逃げられない。

四面楚歌でそのうえ「ブラック企業の社長」と言われてしまう。

でもって
昔自分が育って来たときのように
鉄拳制裁などもってのほか。

よくキッチンでもフライパンが飛んできたとか
罵声を浴びながら働いたが
技術は誰も教えてくれず「盗む」しかなかった。
とかって話を聞くが。今ではそんなのは言語道断。


<<<休題>>>

そんななかでは
湘南の曺監督。

もっとも現代的な指導者であって
若者気質もわかり
無茶な精神論に走らず
データを使い、理詰めでわかりやすく
我々素人に対しても
同じく「なぜ走る必要があるのか」
近代サッカーのトレンドはこうで、湘南の選手はこうで、
なぜ、あのとき選手交代をしたのか、
どういうプレーをしたら試合に出られるのか
とかを「いつでもいくらでも説明しますよ」と言っていて

きちんとやる「新時代の指導者」と感じて見ていた。

彼は誰の話にも真摯に耳を傾け
こちらの目をしっかりと見
私などにもわかりやすい言葉を選んで話をしてくれたのだ。

サシでは立ち話程度しか話したことはないが
ときおり講演などもしてくれて

「まあサッカー好き」「サッカー小僧がそのままオヤジ」になった人で
オフにはドイツやヨーロッパに渡り
どれほど忙しくと深夜のテレビ放送で各国のサッカーを視る。

いつも目が真っ赤に充血している印象があった。

全身全霊で打ち込む 芸術家であり科学者タイプなのだ。
そう、陶芸家でありシェフのように。

慕う若者も多い。
彼の指導で次のステージを獲得した選手は少なくないから。
このまま彼をサッカーの世界から失うのは嫌だ。

何年かかるかもわからないが
ぜひ、再起してほしいんだ。

そこは願わくば湘南の地であってほしいが
外国でもいい。

この大きな窮地を乗り越えてこそ、希代の、不世出の監督になるのだから。











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