ありがとうございます [雑感]
思へばこの世は常の住み家にあらず
草葉に置く白露、水に宿る月よりなほあやし
金谷に花を詠じ、栄花は先立つて無常の風に誘はるる
南楼の月を弄ぶ輩も 月に先立つて有為の雲にかくれり
人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり
一度生を享け、滅せぬもののあるべきか
これを菩提の種と思ひ定めざらんは、口惜しかりき次第ぞ
幸若舞ではありませんが、この世に生を受けて
爾来、半世紀をやり過ごして参りました。
これもひとえに、皆々様のお引き回しの賜物と
深く感謝申し上げます。
思えば、ここ神奈川県の平塚。
ここが私の生誕の地であり、生活その他のすべてであり、
墓場でもある。ということでございます。
ここには私の墓場にもってゆける物は何一つございませんけれど
相模湾の波打ち際を潮風を受けながら、波音を聞きながら
年に一度、私のために他の交通を遮断していただいて
走る事ができる幸せを感ずるとき
なにかしら全てが私の物になるというか
全てと同化する一瞬みたいなものを感ずる事があるように思えます。
俯瞰で、湘南海岸のトビ(鳶)の視線で、自分が見えたら良いなと。
そんな年齢になったとは思います。
大いなる流れの中の一滴のしずく。
何かを残す者では決してございませんけれど
今日もこうして皆様方に拙文をお目にしていただける幸運。
なんという果報者でございましょうか。
ありがとうございます。
さあ、明日は楽しい遠足。早く寝ます。