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ニキ ラウダ [クルマ]

ニキ ラウダ が亡くなった。70歳だったそうだ。

ここに何度も書いていることだが、僕は
あの1976年の日本F1で彼の雄姿を垣間見た。

それも土砂降りのコースに出てきて
2周だけ回ってピットインしてゆく寂しそうな姿を。

前年チャンピオンになったラウダのマシンは
フェラーリ。伝説の312-T2。

同じ年のドイツで瀕死の重傷を負いながら奇跡的に復活。
そしてポイントリーダーとして初の日本F1へ。
勝てば文句なく二年連続優勝。

DSC03264.jpg
インダクションポッドの大きいほうが75年モデル。

それなのに、彼は「この雨があまりに危険だ」と判断し
自主的に棄権したのだ。

「こういうレーサーもいるのか」と思ったのが当時の僕。

瀕死の事故に遭っているのだから、彼の判断も当然と言えば当然だが

降雨によるスタート遅延が
押せ押せになりすぎ、夜間照明の完備していないサーキットで
レース終了のころには日没も迫るというので
スタートを強行してしまった感もあり

興業が成立しなかったら
大変な事になる。としか
考えられなかった当時の主催者の判断に
強く抗議する意味もあったかもしれない。

でも幼い僕にはそんなこともわからず
震えながら水煙の中に消えてゆく
ラウダとそのマシンを
あっけにとられて見ていたのだった。

あれから年月は過ぎた。

僕なんかよりずっとずっと年長者だと思っていたが
実は彼とは13歳しか離れていなかった。
当時彼は27歳だったのか。

あれから彼は航空会社を作ったりして
実業家としても成功していた。



そう、あの日を思い出す。


レーサーたちには皆どこか
暗い「影」が宿っていたのだ。

それはまぎれもなく「命の輝き」が発する
強烈な光が落とす、
あくまでも濃く深い影だったのだ。

かれはその戦いの中では
命を落とすことなく晩年を迎えることができたのだった。
だが今頃は
永遠のライバルジェームズハントと再会しているのかもしれない。

やすらかに。


MATTEL 1/18 フェラーリ 312 T2 モンテカルロGP 1976 #1 完成品

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  • 出版社/メーカー: 京商
  • メディア: おもちゃ&ホビー



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pn

無言の抗議だけでなく直感とか虫の知らせみたいなのもあったのかもね、死にかけた後だし。
by pn (2019-05-22 10:06) 

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