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「なだの海を越えて」を読んで [雑感]

農民文学賞というのがあるのだそうだ。

このほどその第62回の農民文学賞を受賞された
目黒広一さんから直に原稿を見せていただく機会があったので
その感想文を。

しかしこの本は書店で売っていない。
のだそうで、ネットでも読めないみたい。

農民文学

で、私の感想。。

「なだの海を越えて」 を一読して

続きが読みたくなった。

登場人物たちは、一様に耐えがたい苦難にさらされ、方言である「なだ」=「涙」の
海に溺れそうになりながらも、それぞれ全身全霊で生きている。
そして、生きてゆく。
そんな姿に触れた読後感は、
清々しい気持ち良い風に吹かれているような、良い気分が残る小説だ。
しかし
これは、まだ大きな物語の「エピソードONE」「少年少女編」なのだ。

このあと、ハルコ編「大衆演劇の世界」
ハナコ編「芸能の世界」そしてヒロシ編「農業の世界」と読みたい物語は目白押しだ。
 そしてそれぞれのストーリーは時にすれ違い、登場人物たちに大きな障壁となり
越えがたい谷間となって絶望の物語となり、
はたまた時に交わって、珠玉のラブロマンスを奏でる。

時間の大河とともに流れていくのであろう、そんな続編を熱望するものである。

願わくば、朝のテレビ小説か、ジブリの長編アニメ映画として見てみたいのだ。

作者の原体験。そして「自分を読者にした」物語は、ふんだんに出てくる方言とも相まって、
独特の世界観と
時代背景の捉え方の斬新さでこれまでに体験したことのない小説となっている。
農民文学賞を受賞したのも当然だろうと思う。
作者はこれ以外に、あと2編の小説で過去、この賞に挑戦していると聞く。
ぜひそれらも読んでみたいものだ。

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取り急ぎ!!目黒さん受賞おめでとうございます!!



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