トレーラーバスを買った？

「甲府」でだ。

大勢の友人とともに訪れた。
古い友人が経営する自動車販売会社。

彼のお父さんに会う。
「おお　成瀬君。久しぶりだな」
「元気か？」

「今日入った新しいクルマだ」
「見て行ってくれよ」

「良かったら乗ってみないか」

それは素晴らしいクルマだった。

横3列のシートが
縦に4列。
クルマにはそれしかない。
左右にスライドドア。

どうやら牽引車の後ろ部分らしい。

「トレーラーバスだよ」
前には運転席付の
9人乗りの動力車が引っ張っている。

「これは目立つよ」
「あとね。後ろにまだ連結できるんだ」
「キッチンカーとかベッドルームとか、本国では4両連結までできる」

「日本じゃ2両連結までしか許されないけど」
「取り替えて使えば楽しいよ」

後ろの車両の席で
親父さんのセールストークは止まらない。

「欲しいだろ？」
「これは成瀬君。君にしか似合わないよ」

「そうだよ買うしかないな」
「買え買え！」
一緒に試乗中の友人たちもはやしたてる。

「いやまあ、あの、その」
もぞもぞしてると
「君なら」

「おとうさん、ところでヤツは？」
旧友のゆくえを聞いてみると

なんだかんだとはぐらかし合わせようとしない。

でも、いつしか
書類が整えられ
試乗した車内でそのまま
契約をすることに。

しかし、いくらなのかも、なんというクルマなのかもわからんし
本当にこんなクルマ買っていいのか？？

悩みはリアルだ。
「お金。どうしよう？」
「駐車場所は？」

金額だけでも念のために調べておこうと
クルマの窓から
先頭車のお尻にある
エンブレムを見てみる。

「クルーガー」とか「クレーガ―」とか「クルーザー」とかいう
文字が見える。はっきりしないが。

スマホを取り出し
safariを立ち上げ
ＫＬなんとかかんとか、とか
ＫＲなんとか、とかＣＲなんとか、ＣＬなんとか
打ち込むも、それらしいクルマの名前は無いし
画像も出てこない。

ああ、どうしよう。
きっと1000万円単位だ。

いや4両編成分買ったらもっとかも。

友人たちは興奮して、騒いでいる。

ああ困った。
本当に困った。

俺はなんてことをしちゃたんだ、、、、。




と、寒さに震えて目が覚めた。
今朝の夢のことだった。


ちなみに
まわりの友達は見たこともない連中。
クルマ屋さんの友達もいないし
「甲府」にも友達はいない。

しかし必死に売り込もうとした親父さん
全く知らない人だったが「久しぶり」
と言われて言い返せなかった。
そしてその姿はリアルだったし
息遣いやポマードの匂いも。

何より
クルマのディティールは凄くリアルだったなあ。

あれはなんだったんだ？？

タグ：トレーラーバス