櫻ケ丘八幡神社 例祭で [雑感]
大きな枝垂れ桜が満開を過ぎ
はらはらと花びらを落とす暖かい広場から
ほんの20メートルほど石段を登った
杉林に囲まれた御殿に
その大神様が鎮座する。
お祀りが斎行される間
私の体の右側から一度たりとも緩みなく
冷たい風が吹き続けていた。
気になっていたことも
体の不調もなにもかも
この「冷たい風」以外のことは
なにも考えられない状態なのだ。
なにしろ自分の鼻の右半面。ほっぺた右側が。
とにかく冷えるのだ。
右からだけの風が絶え間なく。
なんとなれば緩む一瞬さえなく。
息継ぎもしないで
杉の大きな幹を超えて、ずーっとずっと、吹くのだ。
湘南の初夏仕様になりつつあった
自分の体がうらめしい。
献饌の儀も撤饌の儀もお神楽も
老若男女がそれぞれの役割を果たし
厳かに、滞りなく
祭典がつづくのだ。
終わって
石段を下りれば
また暖かな陽だまりが待っていた。
全部終わって、ふと思った。
あれが、「神様が降りてきた」
一瞬だったのではなかったのか?
と。
春のこの時期
高山のこの地区では
櫻が梅が一気に花が咲き
ご祭礼のその日は鎮守様の杜に
春を告げる冷たい風が吹き付ける。
その日こそ、ご祭礼に。
その場所を祠に。
そこに大神様をお迎えしよう。
太古の昔
ご先祖様が感じた(思った?)
何かを、今に伝えているのではあるまいか?
書けば書くだけ自分の気持ちと離れてゆくけれど
人智を超えた、凄いモノに
一瞬遭い見えた経験をさせてもらった。
5月5日は
相模の國 六社が集まる国府祭(こうのまち) という大祭。
関係者のひとりとして
心して参加しようと思ったことだ。