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クリエイターと職人と [雑感]

むかしは「職人」という領域があったと思う。(あ、昨夜の続きです)

「大工さん」「左官屋さん」「庭師さん」などだ。
いわゆる「請負人」の世界。

これらは、今で言う「著作権フリー」のデザインや技術をもとに
顧客の要望に沿って家を作ったり庭を手入れしたりした。

そのほかには「仕立て屋さん」「鍛冶屋さん」など
頼まれたものを作ったり直したり、そういう職能集団。

「演奏家」 とか 「歌手」もそうだったはずだ。
古い作曲家の音楽を楽しもうと思ったら
そうした専門職能をもった人に頼まなくてはならなかった。

「絵師」 とかは、もっともっと細かく職能分類されていて
版画などは「ばれん師」「彫り師」「刷り師」とかいて
細かく分業体制が築かれていたのだ。

もちろん「芸術家」もいたりしたが
誰にも頼まれもしないものを
全部自分ひとりで作って完成させてそれを売って生計を立てていた人など
ほんの一握りだったのではないか??

「こんな家をつくりたいのだけれど」
「あんなワンピースをつくって」
「そんな看板をたのむよ」
「この髪型にして」
そういわれたら
「はいはい」って作って
「生地がいくらいくら、お針子さんの賃金がいくらで、ボタンと、、」って
手間賃入れてもこのくらい。ってモノづくりがされていた。

それでも世の中成り立っていた。
そのころまでは良かったのだ。

その後、ここに「著作権」なる「概念?」が生まれた。
それは、音楽がレコードなどで自由に聞いたり
モノが機械で大量生産されるようになったことで

「先に考え出し、世に送り出した人を保護しないとまずい」
ってことにした「新ルール」が生まれたからなのだ。

つい最近までの日本やいまの中国などでは
この「新ルール」がまったく理解されず、「良いもの、便利なものはどんどんまねしちゃいましょう」
「なんとなれば、それより良くすりゃいいんでしょ?」ってな具合で
ウチなら、そんな小難しいこと言いませんや。安くしときますよ。

が、あたりまえ。
だってそもそも、職人の仕事は「盗んで覚えろ」だもんね。

で熱心な職人ほど、いろいろなことを自分にインプットしておいて
「引き出し」に入れておくのが「プロ」だったのだから。

今後は、そういうことだけでは通用しない。
「こんなん出来ましたが、ほかに似たようなの無いか調べてから使ってください」

は、もちろんのこと
プレゼンテーション能力や人柄なども鍛えないといけないのですから、、、。
そして、意匠登録や登録商標とか特許申請とか、権利の保全もしないとならない、、。

めんどくさい、、、、、。ですなあ。

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タグ:職人
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