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虫の失楽園 [雑感]

俺は、赤ん坊のころ、しつこいほど言われていた。
「暖かくなるまでは、そこから出てはいけませんよ。」と。

ところが、このところきつくなってきているのと
むずがゆくなるような気温を感じ始めた。

「汗ばむほどの暖かさ、が、何日も続いたら出るように」
耳にタコが出来るほど聞いていたはずだが
もう我慢ができない。

俺は、決意した。
ここから出てしまおうと。

出たところ、別種だが羽を震わせて飛んでるやつがいた。

「越冬」は不要だったのだ!

俺は羽が全部乾くのを待つのももどかしく
大空へ舞い上がった、、。

緑の木々、、。が無い、、。
隠れられそうな草むら、も見当たらない、、。
もぐりこめそうな花を咲かせた草がないのだ。

IMG_2119.JPG
むせかえるような甘い香りの木があるばかりだ。
「そんな」
「こんな、はずじゃなかった、、、。」

だんだん、あたりが寒くなってきた。
日暮れが近くなってきた。

寒くて、暗くて、朦朧としてきた、、、。

どこかで、俺のとは違う羽音がした気がする、、、。

上のほうに、素敵な仲間が居たのだ。

ああ、幻聴?幻想??

違う、現実だ。これは。

異性に、しかもこんなに素敵な彼女に出会えるとは思いもしなかった。
俺より一回り大きくて、俺の理想のスタイルだ。
必死で追いすがった、
もう、どうなってもいい、、、。

彼女に声をかけるのももどかしく、しがみついた。
不意をつかれて、驚いた彼女は
それでも、俺と同じ心細さを感じでいたのだろう
「一緒に過ごす場所を探しましょう」

向こうに小さいけれど、ほのかに光る明かりを見つけた。

明かりは気をつけなければならない。
必死で飛びこむと、瞬殺されてしまうこともあるのだ。

でも、あれなら。

意を決して近づくと
居場所もあるようだ。

ガラスの風防のなかでろうそくが揺らめく灯篭の中だ。
これで朝まで、、、。

どうやって入ったかわからなかったが
これで安心だ。明日は暖かい春が来るだろう、、、、。

信じて眠り込んでしまった、、、、、。


無題.JPG


勝手に物語を作って、妄想してしまいました、、、、、。
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