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文化財「仏像」修復のはなし [雑感]

いやあ勉強になりました。

というか、本当に自分の少ない、というか
どんどん目減りしている「知的好奇心」が
久々に掻きたてられました。

東京藝術大学 大学院の 保存修復彫刻研究室を
お邪魔する機会がありました。

IMG_0591.jpg
そこでは、それはそれは古い
仏像などを修復などしているのですが

それのみならず
古い彫刻の「模写」ならぬ「模刻」なども
行っていて、その研究者、技術者、というか
芸術家の方ともお話をさせていただきました。
IMG_0593.jpg
IMG_0595.jpg
そこではその仏像がどのような技法で作られているのか
材質はなにか、作成意図はなにかなどなどを
調査研究しています。
エックス線でのレントゲン撮影はもとより
最新の3Dスキャナーなどでデジタルデータを作ったり

粘土の塑像を石膏化し、それをもとに
カヤの木やケヤキなど、当時の素材で彫刻してゆく
作業風景なども拝見しました。

そうすると
黒くすすけた表面を剥いでゆくと
創建当時の極彩色の地肌が出てきたり
長年のあいだに、修復されて
目の開き方など、改修されていたことがわかったり

その仏像独自の驚愕するような技法でつくられていたり
いろいろな面白さがあるのだそうです。

こんかいはホンのさわりだけでしたが
「仏像」が俄然面白くて身近な存在になってしまいました。

まえに辻仁成さんの本でしたか
西洋絵画の修復師のお話を読みましたが
数百年のときを越えて
作者と修復者が「対話」をするような
そんな場面があったのを
今回目の当たりにして、感激でした。

おもしろかったのは
修復もクライアントのリクエストで
博物館などのばあい
 「本当に埃を落とすだけ」
個人の収集家や寺院などの
「お寺にあった元通り」
(汚れや剥げなども忠実に再現)
「紛失、喪失部分を歴史を踏まえ再現」
「創建当時のまま」
「2回目の修復状態に」(こないだ陽明門でもこんな話がありましたね)
「お顔だけ まだら模様をソフトに直す」
などなど
オーダーメイドもするとのお話し。

いやあ奥が深いし
こういう方々がいらっしゃるからこそ
文化は未来へつながってゆくのですねえ。

ありがとうございました!


IMG_0597.jpg
学生さんの一例目の製作だそう(!)です。
原木もご自分で購入するのだそう。

そして
仏像をつくるような原木は
本当に高価なのだそうです。

IMG_0598.jpg
すごいです。




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